久米島における海洋温度差発電の包括的環境影響評価

發佈日期:2017-12-28

標題
久米島における海洋温度差発電の包括的環境影響評価
作者
大田宗嗣・大塚耕司(大阪府立大学)、 小野奈都美・伊藝聡・伊佐真賢(㈱沖縄エネテック)
文件屬性
日本研究
知識分類
能源利用
點閱數
276

摘要

1.緒言
久米島では、1MW級の海洋温度差発電(以下、OTEC と略す)の導入が検討されている。近年の久米島の電力需要は年間5.0×107 kWh 程度であり、主にディーゼル発電(以下、DEG と略す)により供給されているが、1MW 級のOTEC を導入することで、年間7.49×106 kWh はOTEC で賄うことができ、CO2 排出量の削減も期待できる。本論文では、OTEC の導入による環境面と経済面における影響をそれぞれ定量的に評価する。また、これらを統合した評価指標を用いて包括的な環境影響評価についても考察する。
2.Triple I light による評価
ここでは、簡易版包括的環境影響評価指標であるTriple I light を用いてOTEC を導入した場合の環境と経済に対する効果を評価した。Triple I light は次式で表される。Δ𝐼𝐼𝐼𝑙𝑙𝑙ℎ𝑡 = Δ(𝐸𝐸 − 𝐵𝐵) + 𝛾Δ(𝐶 − 𝐵)
ここでEFはエコロジカルフットプリント(gha)、BC はバイオキャパシティ(gha)、γは世界の総
EF と総GDP の比ΣEFregion/ΣGDPregion である。C、B は金銭的なコスト、ベネフィット(yen)
である。Δは、OTEC を導入した場合(OTEC で7.49×106 kWh/y、DEG で4.65×107 kWh/y を供給)
と現状(DEG で5.4×107 kWh/y を供給)との差を表す。従って、ΔIIIlight が負であれば、OTECの導入は有効であると判断できる。EF は個々の生産活動に伴うCO2 排出量を全て吸収するために必要な森林面積に換算することによって求まる。なお、BC については、十分なデータが揃っていないため省略し、B については、DEG、OTEC ともに販売価格(yen/kWh)は等しくするため、ΔB は0 となる。つまり、環境面での評価はEF、経済面での評価はC のみを取り扱う。
3.ΔEF およびΔC
EF とC を算出するにあたり、DEG、OTEC ともに運用年数は30 年とし、計算範囲について、DEG は運用から廃棄まで、OTEC は素材製造から廃棄までとした。OTEC を導入した場合のDEG、OTEC による総CO2 排出量は3.90×104 t-CO2/y であり、現状のDEG による総CO2 排出量は4.49×104 t-CO2/y
である。これらの値からそれぞれのEF を求めた。ΔEF はOTEC を導入した場合のEF-現状のEFで求められる。OTEC を導入した場合のC は、2.34×109 yen/yである。一方、現状のC は 2.08×109 yen/y である。ΔC はΔEF と同様にOTEC を導入した場合のC-現状のC で求められる。
4.評価結果
Triple I light の算出結果を表1 に示す。ここでγは、2006 年の世界全体のEF とGDP を積算し2.86×10-6 gha/yen とした。ΔIIIlight の値が負であることからOTEC の導入は有効であると判断できる。OTEC を導入することで、年間7.84×102gha の削減が期待でき、現状と比較すると、年間5.5 %の削減にあたる。また、OTEC で使用後の表層水、深層水は養殖業等に複合利用することができるため、さらに削減が見込める。

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