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羅臼町における海洋深層水施設の整備と維持管理について

發佈日期:2017-12-28

標題
羅臼町における海洋深層水施設の整備と維持管理について
作者
山石秀樹・八幡雅人・平田充・櫻庭千尋(羅臼町)
文件屬性
日本研究
知識分類
基礎研究
點閱數
627

摘要

1. はじめに
「魚の城下町」羅臼町は世界自然遺産に指定された知床半島の東側に位置し、漁業を中心とする水産業を基幹産業としている。
2. 羅臼町の海洋深層水取水
羅臼町が面する根室海峡は知床半島と北方四島の一つである国後島に挟まれる形になっており、幅は最短部で25 ㎞だが最大深度は2,000mを超える非常に急峻な海底地形になっており海洋深層水の取水に有利な条件を備えている。平成11 年に簡易取水施設を整備して小規模な取水を開始しており海洋深層水使用商品も市販されるようになっていたがより大規模で安定した取水施設の整備が課題になっていた。一方、水産業では平成10 年にイクラのO157 汚染があったことをきっかけにして衛生管理に一際厳しい目が向けられるようになっていた。この状況下で漁港の衛生管理に定低温性と清浄性という特徴を持つ海洋深層水を活用することが着目され、羅臼町の海洋深層水取水施設は衛生管理型漁港施設の一部と位置付けられ羅臼漁港沖合2,800m、水深350mを取水地点として整備され平成18 年より給水が開始された。
3.海洋深層水利用の効果
羅臼漁協では容量およそ2 ㎥のステンレス製タンクに海水と氷を入れ、そこにサケを入れることで鮮度保持を行っていたが、サケの漁期にあたる9~11 月は海水温が高い時期であり低温を保つために大量の氷が必要になっていた。この鮮度保持に海洋深層水を用いることでサケの重量あたり氷の使用量は海洋深層水使用前の40%程度に減少し、年あたり1千万円以上の経費節減効果が得られた。また海洋深層水の清浄性は衛生管理効果にもつながった。サケ以外の魚種についても海洋深層水で洗浄冷却することで鮮度保持と衛生管理を行っている。魚価は市況の影響が大きく、海洋深層水の使用が魚価向上に結び付いているとは言えないが、漁業者と流通関係者からは魚の質が向上したと評価されている。
4.施設の維持管理と課題
最大取水能力190 ㎥/時で整備されており当初は特に問題なかったが平成23 年頃から取水能力の低下が見られるようになった。今後漁獲量の変化や海洋深層水需要の増大によっては取水量の不足が起こりかねない状況にある。取水ポンプ等の陸上施設には特に問題は認められず、取水能力の低下は取水管が原因と思われるが、技術上の問題で管内を直接確認できていないため原因の特定には至っていない。

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