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富山湾海洋深層水を利用したタラソテラピー (健康増進)の取り組み

發佈日期:2017-08-08

標題
富山湾海洋深層水を利用したタラソテラピー (健康増進)の取り組み
作者
新村哲夫(富山大学大学院 医学薬学研究部・前 富山県衛生研究所)
文件屬性
日本研究
知識分類
醫療保健
點閱數
819

摘要

【はじめに】
富山県滑川市にはじめて海洋深層水を利用した体験施設「タラソピア」が開設されて以来、富山大学および富山県衛生研究所等において、富山湾深層水を用いたタラソテラピー(海洋療法・健康増進)への利用研究について取り組んできた。その取り組みを紹介し、今後の課題について述べて
みたい。
【これまでの研究課題と成果】
① 深層水の「温浴」による健康増進効果(研究期間 平成11~13 年度)健常男性について、空浴を対照に、深層水、表層水、水道水を用いた41℃6 分間の全身温浴を都合3 回行い、腰部,大腿部の皮膚温度を測定し、深層水温浴があたたまりやすくさめにくいことを報告した(第5 回2001 小田原大会)。また、気分感情調査で深層水浴により「活気」の上昇、睡眠調査で「寝つき」の改善がみられた(第6 回2002久米島大会)。
② 濃縮深層水の「浮遊浴」によるリラクゼーション効果(研究期間 平成14~16 年度)深層水を逆浸透膜により塩分濃度約15%に濃縮した濃縮水により、「死海」で行われている浮遊浴が可能なことを実証した(第7回2003焼津大会)。蒸発法によりさらに塩分濃度約30%に濃縮した超濃縮水を用いて、希望者に浮遊浴体験の実施をしたところ、15 分間の浮遊浴により筋肉のリラックス効果と精神的なリフレッシュ効果のあることが観察された(第8 回2004 入善大会、第9 回2005室戸大会)。
③ 深層水および濃縮水を利用したスキンケア(研究期間 平成17~19 年度)ヒトの皮膚に近いとされる仔豚皮膚を用いて深層水中ミネラル成分の浸透性と抗炎症性・創傷の治癒効果について検討した。ミネラル成分の浸透が示唆されたが、抗炎症性・創傷の治癒効果については明らかにできなかった(第10~12 回大会)。
④ 深層水「運動浴」のメタボリック症候群対策への利用(研究期間 平成20~22 年度)深層水中での「歩行浴」が水道水中に比べて、酸素消費量が多く、深部体温が上昇することを報告した(第13 回2009 室戸大会、第14 回2010 久米島大会)。そこで、深層水中での歩行を中心とした運動浴の長期継続的な実施によりメタボリック症候群対策に利用できないかと考え、中高年の肥満者を募り調査を行った。3 ヶ月間の深層水中の運動浴により、体重・腹囲の減少、HDL コレステロールの増加、下肢筋力の増強などの効果がみられた(15 回2011 伊豆大会)。
⑤ 深層水「運動浴」の健康関連QOL と皮膚状態への影響(研究期間 平成23~25 年度)深層水を用いた長期継続的な運動浴により健康関連QOL が上昇した。アンケート調査により皮膚状態がよくなったとの回答が多かったが、水分蒸散量、角質水分量などの測定結果では明らかでなかった(第16 回2012 伊豆大島大会、第17 回2013台湾大会)。
【今後の課題】
これまで富山湾深層水や濃縮水を利用した健康増進効果について調査研究を行ってきた。しかしながら、その効果と深層水中の成分との関連については、ほとんど明らかになっていない。今後の深層水利用のさらなる飛躍のためには避けて通れない研究課題であると考える。また、深層水体験施設の本来の健康増進施設としての利用の他に、保健・福祉およびツーリズム等での効果的な施設の利活用についての総合的評価も、重要な研究課題である。
【謝辞】
本研究は、富山県および滑川市の深層水利用研究(非水産分野)によった。本研究は、富山大学および富山県衛生研究所等の多くの研究者、ならびに多くの関係機関の協力により行われた。ご協力いただいた皆様に深謝いたします。

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